チャート02:「通常」は、「あいまいコトバ」で、基本的に「○」です。(法規を除く)
『通常』とは、「世間一般に」、または「ごく普通に見られる状態であること」です。
したがって、『通常』は、あいまいなコトバです。
「あいまいコトバ」で、「最も不適当な」問題はつくれないので、『通常』が使われている出題は、基本的に「○」の確率が高いと考えられます。
学科:計画
チャートが通じる問題番号:1,2,3,4,5,6,7 (7/8問 88%で○)
例外問題番号:8
この問題は、受験者の常識を問う出題です。
二酸化炭素(炭酸ガス)に臭いが無いことは、常識です。
学科:構造
チャートが通じる問題番号:9,10,11,12,13,15,16,18,19 (8/11問 73%で○)
例外問題番号:14
× 荷重継続時間を3か月程度と想定した積雪荷重を検討する場合、木材の繊維方向の許容応力度は、通常の長期許容応力度の1.5倍とする。
○ 荷重継続時間を3か月程度と想定した積雪荷重を検討する場合、木材の繊維方向の許容応力度は、通常の長期許容応力度の1.0倍とする。
(平成12年建設省告示第1455号第1第二号)
例外問題番号:17
「省略することができる」は、危険コトバで「×」の確率が高い。
× 圧密未完了の厚いシルト層が地表付近まで分布している場合、通常の荷重に対する検討を行えば、杭に作用する負の摩擦力(ネガティブフリクション)の検討を省略することができる。
○ 圧密未完了の厚いシルト層が地表付近まで分布している場合、通常の荷重に対しても地盤沈下を起こし、杭に作用する負の摩擦力(ネガティブフリクション)を生じさせる可能性があるので、これに対する検討を必要とする。
学科:施工
チャートが通じる問題番号:20,22,23,24
例外問題番号:20
「考慮する必要はない」は、危険コトバで「×」の確率が高い。
× 型枠の構造計算において、地震による荷重は通常考慮する必要はないが、風圧による荷重は、地域、季節等によっては考慮する必要がある。
○ 型枠の構造計算において、地震による荷重は地域によっては考慮する必要があり、風圧による荷重は、地域、季節等によっては考慮する必要がある。(公共建築協会「建築工事監理指針」)
(追記)
学科:法規は除いています。
法規の場合は「あいまいコトバ」とはいえない。その理由は、法律用語として、法文内に用いられている場合が多いからです。
法文として使われている問題は、全部で43問。
この内「○」の問題番号:33問(77%)
この内「×」の問題番号:10問(23%)à 20% 〜 25% は、一般的な確率と思われる。
問題番号 |
年度 |
学科名 |
設問番号 |
正誤 |
問 題 文 |
1 |
H22 |
計画 |
18 |
O |
2.建築設計業務、監理業務等の契約において、報酬の変更、再委託の条件、著作権の扱い、契約の解除等の諸条項については、通常、建築設計・監理等業務委託契約約款において示される。 |
2 |
H18 |
計画 |
12 |
O |
4.「宮代町立笠原小学校」(埼玉県、1982年)は、クラスルームの床面積を通常の約1.5倍とし、クラスルーム内に畳コーナー、ベンチ等のあるアルコーブを設けている。 |
3 |
H15 |
計画 |
7 |
O |
2.通常の音圧レベルにおける人の音の大きさに対する感度は、一般に、中高音域に比べて、低音域のほうが鈍い。 |
4 |
H15 |
計画 |
14 |
O |
4.強化ガラスは、板ガラスが加熱後、急冷したもので、通常の板ガラスの3〜5倍の強度を有するが、切断加工はできない。 |
5 |
H15 |
計画 |
21 |
O |
4.車いす使用者の利用する大便器については、通常の便器に比べて、便座面の位置を高くした便器が一般的である。 |
6 |
H09 |
計画 |
3 |
O |
5. 布基礎を用いる場合、地盤を通じての熱損失は、通常、地盤に接する布基礎の長さにほぼ比例する。 |
7 |
H09 |
計画 |
6 |
O |
3.通常、室内の残響時間は、その室内に多数の人がいる場合のほうが、一人もいない空室状態より短くなる。 |
8 |
H09 |
計画 |
8 |
X |
2.通常、室内で感じる不快な臭気の多くは、二酸化炭素の臭いである。 |
9 |
H23 |
構造 |
27 |
O |
3.積雪時の許容応力度計算をする場合、木材の繊維方向の長期許容応力度は、通常の長期許容応力度に1.3を乗じた数値とする。 |
10 |
H21 |
構造 |
26 |
O |
4. コンクリート充填鋼管(CFT)構造の柱においては、外周の鋼材こよる拘束(コンファインド)効果により、一定の要件を満足すれば、充填(てん)コンクリートの圧縮強度を、通常の鉄筋コンクリート造の場合よりも高く評価することができる。 |
11 |
H20 |
構造 |
23 |
O |
2.長期の積雪荷重を検討する場合、木材の繊維方向の長期許容応力度は、通常の長期許容応力度の1.3倍の数値とする。 |
12 |
H19 |
構造 |
22 |
O |
5.フラットスラブ構造については、一般に、地震力のすべてを負担させるべきではなく、通常のラーメン構造や耐震壁を併用する。 |
13 |
H19 |
構造 |
24 |
O |
2.高強度コンクリートは、一般に、通常のコンクリートよりも組織が緻密であるため、中性化の進行や塩化物イオンの浸透に対する抵抗性に優れている。 |
14 |
H15 |
構造 |
10 |
X |
1.荷重継続時間を3か月程度と想定した積雪荷重を検討する場合、木材の繊維方向の許容応力度は、通常の長期許容応力度の1.5倍とする。 |
15 |
H12 |
構造 |
09 |
O |
5.過圧密された粘性土層の場合、地下水をくみ上げて水位を下げても、地下応力が先行圧密応力以下であれば、通常、沈下量は無視することができる。 |
16 |
H09 |
構造 |
09 |
O |
2. 過圧密された粘性土層の場合、地下水をくみ上げて水位を下げても、地中応力が先行圧密応力以下であれば、通常、沈下量は無視することができる。 |
17 |
H09 |
構造 |
09 |
X |
3. 圧密未完了の厚いシルト層が地表付近まで分布している場合、通常の荷重に対する検討を行えば、杭に作用する負の摩擦力(ネガティブフリクション)の検討を省略することができる。 |
18 |
H09 |
構造 |
10 |
O |
3. 2階建の建築物において、地盤が著しく軟弱な場合、地震力に対する耐力壁の所要有効長さは、通常の場合の1.5倍とした。 |
19 |
H09 |
構造 |
22 |
O |
5. 擁壁に作用する地震時の主働土圧係数は、震度κ=0.2程度であれば、一般に、通常時の主働土圧係数の20〜30%増の範囲以内に納まる。 |
20 |
H19 |
施工 |
17 |
O |
5.コンストラクションキーシステムは、通常、建築物の施工中のみマスターキーシステムとなり、竣工後にシリンダーを取り替えずに、簡単な操作により工事用シリンダーから本設シリンダーへ切り替わるキーシステムをいう |
21 |
H16 |
施工 |
10 |
X |
3.型枠の構造計算において、地震による荷重は通常考慮する必要はないが、風圧による荷重は、地域、季節等によっては考慮する必要がある。 |
22 |
H13 |
施工 |
11 |
O |
3.高強度コンクリートは、「中性化」や「塩化物イオンの浸透」に対する抵抗性に優れているので、通常のコンクリートと同程度のかぶり厚さとすることにより、耐久性の向上が期待できる。 |
23 |
H11 |
施工 |
10 |
O |
3. 型枠の構造計算において、地震による荷重は通常考慮する必要はないが、風圧による荷重は、地域、季節等によっては考慮する必要がある。 |